10倍の成果を出すマーケターの鍵、AIエージェント
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いま、様々な業界で同じことが起きています。
法務の世界では、AIが契約書のレビューを担うようになりました。かつては若手弁護士のチームが何日もかけていた仕事です。
ソフトウェア開発では、AIがコードを書き、バグを見つけます。カスタマーサポートでは、AIが問い合わせを「担当者に回す」のではなく、最後まで解決するようになりました。
共通しているのは、人がやるしかなかった「実行」を、AIエージェントが代わりに担いはじめたことです。
次は、マーケティングの番です。繰り返しの作業が多いマーケティングは、本来、AIエージェントがもっとも活躍できる領域だからです。
なぜ、マーケティングのAI化は進まないのか
では、なぜまだ変わっていないのでしょうか。
振り返ると、マーケティングの技術は大きな波を2回経験しています。インターネットは「届ける力」を、クラウドとデータ基盤は「顧客を知る力」を、それぞれ一気に引き上げました。そして今、3回目の波が来ています。それがAIエージェントです。今回引き上がるのは「実行する力」。マーケターの判断を助けるだけでなく、チームが毎週やっている仕事そのものを、AIがやるようになります。
ところが現実には、マーケティングでAIが根づいた場所は、コンテンツの生成と広告の運用くらい。それ以外の仕事は、今も人力です。理由は3つあります。
① マーケティングは、会社ごとに全部違うから。
どの会社のマーケにも、その会社の歴史、ブランドの言葉づかい、顧客への理解が染み込んでいます。同じ「ライフサイクルマーケティング」でも、銀行とECとメディアではまったく別物です。「一般的なベストプラクティス」で動く自動化ツールは、この違いの前で止まってしまいます。
② ツールもチームも、バラバラだから。
ブランド、広告、CRM、それぞれのチームが別のツールで動いていて、情報がつながっていません。代理店が入ればさらに複雑になります。企画書は毎回ゼロから作り直し、ノウハウは誰かのフォルダに眠ったまま。仕事を引き継ぐたびに情報が抜け落ちて、新しいキャンペーンは「前回どう決めたんだっけ?」の確認から始まります。
③ 関係者が、とにかく多いから。
施策を1本出すにも、ブランド、法務、プロダクト、経営のチェックが要ります。承認を追いかけ、意見を調整する ― この「社内の調整」が、マーケターの1週間の多くを食い潰しています。ここを無視した自動化は、むしろ現場の仕事を増やすだけです。
まとめると、こうなります。ツールは一つひとつ優秀なのに、全体として機能していない。足りないのはツールではなく、「この会社の文脈」を理解して、バラバラな仕事を「つなぐ」存在なのです。そしてそれこそ、AIエージェントが得意なことです。
エージェントが働くと、マーケターの仕事はどう変わるか
実行をエージェントに任せられるようになると、マーケターの仕事は「作業をこなすこと」から「方向を決めて、指揮すること」に変わります。
今のマーケターの1週間は、キャンペーンの設定、配信条件の管理、ツールとチームの調整でいっぱいです。これからは、目的を決め、戦略を描き、守るべきルール(ガードレール)を設定し、AIが出してきた結果をレビューする ― そういう働き方になります。しかも、過去のキャンペーンの学びはすべてAIに蓄積されているので、毎回ゼロから始める必要がありません。
これが「10xマーケター」です。10倍働くマーケターのことではありません。「どれをやるか」を諦めずに済むマーケターのことです。実行はAIがいくらでも引き受けてくれるからです。
具体的には、3つのことが変わります。
◼️「どれを諦めるか」を考えなくてよくなる。
今は、どの実験をやるか、どのセグメントに手をかけるか、常に取捨選択です。実行がボトルネックでなくなれば、問いは「どれができるか」から「どれをやる価値があるか」に変わります。
◼️数週間かかっていたことが、数日で終わる。
キャンペーン作りが遅いのは、作業が難しいからではなく、人から人への引き継ぎが多いからです。引き継ぎが消えれば、時間は一気に縮みます。
◼️「一人ひとりに違う体験」が、本当にできるようになる。
全顧客への1対1対応は、手作業では絶対に無理でした。実行の量に上限がなくなって、初めて手が届く世界です。
2年後、優れたマーケティングチームを分けるのは、人数の多さでも、使っているツールの数でもありません。
AIをうまく指揮できるチームかどうかです。少ない指示で、より良い結果を引き出せるチームが勝ちます。
私たちがAuxiaを作ったのは、この変化が本物で、もう始まっていて、多くの企業がまだ備えられていないと考えているからです。
ただし、この新しい働き方には、実行を安心して任せられるAIの基盤が欠かせません。
そして、その基盤を整えていくと、マーケティングで使うツールの組み合わせも、チームのつくり方も、これまでとは変わっていきます。
その話は、第2回で。



